陰鬱な独り言

脳内エキセントリック

つぎは宇宙船に私も乗せてください

今日も堂本剛に"最高"を更新されたので衝動的に筆を取った。ライブ後の疲労感ってどうしてこんなにも心地いいんだろう。

 

剛さんが横浜アリーナ公演でどう見ても1人乗りの宇宙船から登場してきて早2ヶ月とちょっと。

今回のツアー、今日が私の最終日だった。相変わらずENDRECHERIは期待よりも上をいく。今日もとんでもなくカッコ良かった。

ジャニーさんが亡くなって、私たちが暗い顔をしてちゃいけないよね…なんて公演前に考えてたりもしたけど始まったらそんな考えなんて一瞬もよぎらないぐらいには今日もカッコよかった。ただひたすらにカッコよかった。

まず冒頭の映像からして電子麻薬か何かですか??っていう程テンションをブチ上げられるし、やみつきになる。語彙力を奪われていくあの感じ…。

圧倒的な興奮の前には理性なんて無意味。日頃溜めてるストレスや鬱憤すらもその場では全て奪われる。

 

今回のツアーを通して、剛さんは割と親しみを感じる面を多く見せてくれていたような気がする。私を惹き付けて止まない詩歌を仕上げる彼が「バチクソ」だの「超」だのという言葉遣いで話すあのラフさ、雄っぽさ。普段メディアでは出さないようにしているであろう粗暴さ。同じ人間だなって思わせてくれる瞬間が多かった。

東大寺円盤の特典を見て思ったけど、40歳男性なんだよなぁ、堂本剛って。

 

かと思えば曲が始まると、とんでもなく眩しく煌めくものだから、やっぱり私の神様だ…なんてクラっときたり。

特にあの、CCKでオーディエンスを煽るだけ煽ってこちらに一目もくれることなく袖にはけていく姿は痺れる。アルコール片手に観たら上がるところまで上がって戻ってこられなくなりそう。

 

思い返せば、どの公演も本当に自由度が高かった。

まだ世に出ていない新曲が披露されて、ノリ方をファンが瞬発力を存分に発揮しながら、みんなで考えるような場面が多くて楽しかった。

8月に出るアルバムは遊びの延長で作られた曲が多いって聞いたからその効果もあるんだろうか。気張らなきゃいけない雰囲気が1ミリも無かった。それって出来そうで中々出来ないことなんじゃないかな。

これが剛さんの愛してやまないファンクの力でもあるのだろう。どこか泥臭くて、人の本質が晒されていて、でもその人が持つある種歪んだ個性すらも飲み込む許容の音楽。

「あぁ、あなたの色はそれなのね。歓迎するよ」って言ってもらえているかのような心地になる。逆に、"自分"と言うものを提示しないと受け入れてはもらえないような面もある気がする。

これが自由の中のルールってやつなのかな?

 

剛さんはオーディエンスの視線を集めるべき場面ではしっかりと数千人規模の目を自分に向けさせ、他の演者を引き立てるべき場面では自分の存在感を埋めることが上手なんだな、っていう気づきもあった。

それは、照明さんや演出の力も勿論あるんだとは思うけど、10代の頃から培ってきたステージの上での振る舞い方が上手い。あれは一朝一夕でできる代物じゃない。

だから私たちは堂本剛が欲しがるリアクションを知らずのうちに取ってしまうんだろう。手のひらの上で転がされてる。それがまた快感。

 

愛してやまないフロントマンが素晴らしいのは今更私が語らなくても周知の事だけど、やっぱりTU FUNK ALL STARSは一騎当千のバンドメンバーが集っているから、演奏が一級品なんだよなぁ。各曲に好きなフレーズがある。もっと言うと、演者ごとに好きな癖がある。

セッションなんか秒で終わっていく。

あれって40分以上はやってるんだってね、ちょっと信じられない。

体感ではすぐ終わってしまうのに、それぞれの演奏の密度が高いからしっかりと演奏が頭に刻まれる。ずるい。

 

そんな調子だから、ライブに入る度に、その日いるメンバーで"最高"が更新される。

剛さんの声の伸び、フェイク、パフォーマンス1つ1つが公演毎にレベルアップしていく。TU FUNK ALL STARSで用いられるリフが、アレンジが、筆舌しがたいぐらいにはgrooveしていく。こんなに観ていて気持ちいいのは、私が生きてきた中で未だこのバンドだけかもしれない。私は虜になりました。

 

いやしかし、振り返るとあの宇宙船からの登場はやっぱり衝撃的だったよね。帰りもちゃんと宇宙船に乗って帰っていったけど、アンコールは普通に舞台袖から歩いて出てくるっていうところまでセットで堂本剛の世界だった。

 

次に"最高"が更新されるその時が、待ち遠しい。

そのうち剛さんがPファンクよろしくステージにオムツを履いて上がってきたらどうしよう、という若干の不安を抱えて、その時を待つ。