陰鬱な独り言

脳内エキセントリック

愛でしかなかったな

 

2019年7月1日、

ENDRE CHERI名古屋センチュリーホール公演。

この日の私は普段とはちょっと違う緊張感を抱えてライブに参加した。

と、いうのも。

ジャニーさんに関する正式な発表が公演直前にあったから。

この日のMCで、絶対に剛さんが何かしらのコメントをするだろうなと確信していたから。

剛さんにとってジャニーさんというお方がどれだけ大きな存在なのかを彼の言動から知っていたから。

お豆腐メンタルの私がそれらを受け止められるだろうか、とドギマギしていた。

 

その確信は正しく、剛さんはアンコール後のMCでジャニーさんについて言及した。

けれど、それは私が思っていたような重々しい内容ではなく、堂本剛らしいユーモアを交えながらのサラッとしたものだった。

 

サラッとしたものだったけど、そこには確かな愛が見て取れて胸を打たれた。

「ジャニーさんが頑張っているから『スーパーミラクルジャーニー』という曲を」と言ってのけた剛さんは、私が思っていたよりもずっとずっと強い芯を持った人間だった。

剛さんが強い人間であることは知っていたけれど、観客を涙に沈めることなく、まとめ上げるその手腕に舌を巻いた。

堂本剛を完全にナメていた。この手の話題に突っ込んでくるのに手放しな訳がなかった。

 

「音楽をやりなさいと言われた」

「音楽のレールを敷いてくれた」

剛さん曰く

「僕の人生ほとんど音楽しかしてきていない」らしい。

 

そんな剛さんが、ジャニーさんの入院の正式発表があったその日に"音楽"を通じて出来た仲間と「スーパーミラクルジャーニー」という曲をセッションした。

オーディエンス3000人を巻き込んで、音楽という形で、闘っているジャニーさんにエールを飛ばした。

ジャニーさんが導いた音楽という道で、愛を表現する堂本剛の説得感ったら半端じゃない。

 

「各々好きなタイミングでジャニー、と叫んでくださいね」と微笑みながら優しく述べる剛さんの愛の大きさ。

セッションが始まれば、普段よりも格段に、意志を感じられるバンドメンバーの演奏。

 

特に十川さんのソロパートには震えた。

「You 彼とはずっと一緒にやったほうがいいよ」とあの社長に言わせ、グループでの音楽活動にも関わってきた十川さんの演奏は、雄弁に愛を語っていた。

一騎当千のバンドメンバーが本気を出して気持ちを演奏に乗せるとこんな風になるんだな、と味わえた夜だった。

 

誰1人として重たい顔はしていなかった。

笑いすら起きた空間。

側から見たら不謹慎に見えるかもしれない。

 

けれど、あの空間は愛以外のなにものでもなかった。

愛でしかなかったな。